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JA北海道青年部視察研修報告~アメリカ・カリフォルニア州編~

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2017年06月06日

2016年11月視察報告会の内容です。

JA北海道青年部海外研修の報告内容になります。

 

参加者 生田目 浩志

マドックス牧場を訪れて

 

 私たちは海外視察研修3日目にカリフォルニア州フレスノにあるマドックス牧場を訪れました。

 牧場の外観はシンプル、ユニークであり、他の人が来やすい外観だと思いました。

 牧場に噴水がある

 

到着してすぐに、搾乳室の2Fへ移動し、この牧場の搾乳を見学しながらこの牧場のマネージャーの方から、この牧場の歴史と、規模、人員、現状の問題と方向性について説明を受けました。

 この牧場は1982年に設立し、現在は4000頭以上もの搾乳牛を飼育し、畑は、ワイン用ブドウ畑が750ha、アーモンド畑400ha、アルファルファ620ha、飼料用穀物畑が620haの耕地面積があるそうです。人員は、搾乳に22名、出産後3名、ブリーダー3名、削蹄2名、エサ作り3名、メンテ要員3名、その他数名の従業員でやっているそうです。牛舎はフリーストールが20棟、搾乳場は12頭×4ヘリングボーンパーラを牛舎の左右にあり、他にスモール専用のストール、分娩用のストールがあります。1頭あたりの年間乳量は10,000kg、乳脂肪は3.8%、タンパク質3.2%で1日4回集荷しており、乳かはキロ約33円です。

 現在、この牧場においての大きな問題点は、人件費の増大です。

近年、労働法の改正によって、時給15ドル(1ドル=110円 1650円)、残業手当により、以前の約1.5倍の人件費がかかるそうです。この問題の解決策に対して考えているのは、ロボットの80ポイントロータリパーラを作り、搾乳人員を22名から、1名にするという考えです。計算上は、初期費用が大きくかかるが、先を見据えれば、数年で元を取ることができるが、本当にそれでうまくいくのか考え中であるそうです。

 

その後、バスで移動し、乾乳舎を見学させてもらいました。

 移動中、子牛の脱走を発見

 

乾乳舎には今日産まれたばかりの子牛が2頭いました。

 一つのペンに1頭・・・贅沢!!

 

ここの牧場では、分娩房を24時間体制で見張り、毎日平均20頭分娩し、メスなら血液検査(ゲノミック評価法)をして、評価の高い牛を残し、低い牛を売るというやり方をしているそうです。生まれた子牛は最初、母乳に添加剤を混ぜたものを飲ませて、それからパスチャーライザという低温殺菌して牛乳を温める機械を使って、1日6リットルを与えているそうです。その時に、固形成分の量が濃ければ水で薄め、薄ければ粉ミルクを混ぜるというやり方をしているそうです。生後60日間は檻で飼育し、それから1,2ヶ月を小さいパドック、大きいパドックへ移動させ、徐々に奥の方へ移動させ13ヶ月まで飼育してから、受精卵移植させるそうです。年間3800頭移植し、種もホルスタイン種以外にも、ジャジー、アンガス等の種も移植するそうです。なお、2回移植しても止まらなければ人工授精し、それでも止まられなければ廃用するそうです。

 最後に日本の牛飼いとしては、なんで日本の3分の1の乳価で牧場経営が成立するのか疑問でしたが、ほんの少しだけ理由がわかった気がします。その一つは出費の少なさなのなかなと思います。視察した牧場の牛舎は屋根をつけただけのような牛舎になっており、雨や雪等を考えていないような作りになっており、とても安く大きな牛舎を作れると思います。

 壁やサイドカーテンがない!?

 

また、敷料、堆肥処理に関しても、雨や雪がほぼないので、バイオガスから出た固形物を外に掘った穴に捨てるだけで簡単に戻し堆肥が作れるので、ここに関しても出費が少ないと思います。

 すごい光景だ!!

 

それでも収入源である乳価が圧倒的に少なく、人件費が高く、残業をさせづらい環境で経営するには、相当に困難であるはずなのに、経営ができるということは、それだけ、無駄のなく、最適な仕事をしているからだと思います。

 

今の自分には、無駄の無く、最適な仕事をどうすれば、今の仕事で行うことができるのかばだ、はっきりとはわからないです。ただ、今回のアメリカ研修で共に視察した仲間たちと過ごした時間は大変楽しく、アメリカを視察することができたので、今後の自分の人生とって大きなプラスだと思いますので、今回の研修を携わってくれた方々に本当に感謝しています。ありがとうございました。